幸せなダイバーシティ、しなやかな働き方改革

ダイバーシティ推進や働き方改革の本質を一担当者として語りたい

男女平等と女性活躍推進

ダイバーシティといえば女性活躍推進というのが日本の場合は一般的です。ジェンダーギャップ指数にも明確に現れている通り、特に経済界においては男女平等だとは全く言えない状況です。(2018年G7で最下位の110位)他にも様々な場面で実は女性蔑視があるというのはSNS上でもよく取り上げられています。私ももちろん自分に対する視線として「女性だから」というのを感じることがありますが、一方で私自身の中にも性別による無意識のバイアスがあることに気がついて愕然とすることもあります。ダイバーシティを十数年やってきてもなお残るバイアスに目を背けず、きちんとアクションを取ることが重要なのかなと思っています。

さて、このような社会ではありますが、一企業の中で「男女平等にしましょう!」と言うと大抵(口には出さなくても)大きな抵抗にあいます。管理職や女性社員からも「これまで性別なんて意識したことはない、今のままで問題ない」と言われることも多いです。でも、意識していないということは逆に無意識のバイアスも放置しているということになるんですよね。結果的に社員全員における女性の割合と管理職における女性の割合は後者の方が(ときには圧倒的に)低くなっています。

もし無意識レベルでも性別を意識していないのであればそれほど数字のギャップが出ることはないのではないでしょうか?男女の差が明らかである「出産」のみが理由で、これほどの差が開くのでしょうか?もしくはこんなに差が開くほど、女性には管理職に向いていない特性があるのでしょうか?

確かにこれまでの管理職像は女性には向いていなかったのかもしれません。常に部下よりも自分のほうが優れていて弱みは決して見せない。部下の成果が出なければ厳しく(今で言えばパワハラのような)指導をする。「仕事というのはこういうもんだ」と言ってどれだけ会社や自分に忠誠を誓えるかを試し、忠誠心が高い部下を優遇し自分の周りを固める。自分は上司が帰るまでは会社にいて、自分より早く帰る部下を許さない。

若干悪意がある書き方になってしまいましたが、いずれにしても確かに男性に多いリーダーシップスタイルと女性に多いリーダーシップスタイルは違うかもしれません。ただ、今後はワンマンのリーダーではなく、部下をしっかり観察してちょっとした変化を感じ取り、褒めたり励ましたりしながら、一緒に仕事を進めていくリーダーが求められています。このあたりはこの本を読むとよくわかります。(タイトルが若干アレですが、とてもいい本です)

www.nikkeibook.com

みなさんの会社の人員構成をピラミッドで書いて、平社員、課長レベル、部長レベル、役員レベルで女性の割合を書き込んでみましょう。どれくらい差があるかよくわかります。そしてそれを見せながら「本当に当社は人材の活用方法に問題はないのでしょうか?管理職になるべき人を管理職にしているのでしょうか?」と社長に問いかけてみるともしかしたら何かが変わるかもしれません。マネジメントの役割がきちんと果たせている管理職は皆さんの会社でどれくらいいらっしゃいますか?