幸せなダイバーシティ、しなやかな働き方改革

ダイバーシティ推進や働き方改革の本質を一担当者として語りたい

副業について

他の企業のダイバーシティ推進担当といろいろ話していると、最終的に社員のキャリアの話に行き着くことが多いです。そしてそのキャリア開発の一つとして副業が注目されています。この記事もとても興味深かったです。

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ダイバーシティは属性(だけ)ではなく価値観や考え方の違いが重要です。例え属性が様々であっても同じ価値観の人が集まった組織でイノベーションは生まれません。異なる考え方や視点を意識できるのはやはり会社の外なんですね。社外の研修や仕事を通じた異業種交流などもありますが、なんと言っても他の組織で働くことほど刺激を受けることはありません。

以前副業についての講演会に参加した際、大きな会社でシニアマネージャーとして勤務している50代以降の男性が、肩書のないところでチームで働く、というのは目の覚める経験だったと聞きました。今はちょっとした社外インターンのサービスをしている会社もあるので私自身も今度トライしてみようと思っています。

社外で自分の知識や経験を試してみる、という経験は高齢者活用というダイバーシティのエリアでも非常に重要です。大企業では年功序列でよほどのことがなければ定年(今は再雇用でほぼ65歳)まで雇用される中、定年が見えてきた50代社員のモチベーションをどう保つかが課題になっています。役職定年で管理職でなくなった瞬間、お給料が下がり、本人も「アガリ」の気分で仕事をしなくなってしまうというケースです。これまでは少人数だった「アガリ」の人たちが3割や4割になってくるともう会社は成り立ちません。かといって役職定年後用に仕事を切り出すというのも非常に難しいんですね。本人のプライドもありますし。これがいわゆる社内失業です。

人事としてはできれば自分の得意分野を活かせる仕事をご自身で見つけていただきたいと考えています。社内でも社外でもいいのですが、そういう「使える能力」を見つけるのにこのような社外での経験が非常に役に立ちます。副業は会社の忠誠心に背くものだと考える方もいると思いますが、長期で考えれば実は会社の人材活用の面からも非常に有益なんですね。