幸せなダイバーシティ、しなやかな働き方改革

ダイバーシティ推進や働き方改革の本質を一担当者として語りたい

意識改革という罠

ダイバーシティに限らずパワハラ防止や職場風土改善、コミュニケーションの向上など様々なテーマでディスカッションするとき、よく出てくるのが「〇〇の意識改革(〇〇には社員、役員、管理職、上司、時には社長が入ります)」です。意識改革という言葉はとても使いやすいです。それで大体解決できる感じですよね。

でもお気付きの通りこれができたら上記のようなテーマの問題も起こらないはずで、それが一番難しいんですよね・・・。私はこれを「意識改革の罠」と呼んで、なるべくはまらないように(つまりこの言葉はなるべく使わないように)しています。

「あなたの意識は間違っています、改革してください」と言われて変えられる人はいません。むしろ「なんだそれは!!」と怒りますよね。私も自分の意識の改革すべきところは自分では分かりませんし、どちらかというと全然問題ないと思っています(笑)。また、受講者の意識を変えるための研修や講演などを聞いてなるほどと思っても、自分のどの意識をどう変えるかというところまでは思い至りません。

それではどうしたら意識が変わるのか、そしてそもそも意識を変えるべきなのかということをずっと考えてきましたがまだ答えは出ていません。でも、例えば私を含め、ダイバーシティ担当者が〇〇(社員や管理職、社長など)に求めているのは、意識改革をした結果、その方々の言動が変わることだと思います。言動を変えるのは意識だから意識改革だと言い、また表面だけ変えても・・・と思って意識にフォーカスするわけなんですね。ただ、実際にはコミュニケーション方法や使う言葉、マネジメントの仕方を変えて頂ければそれでいいわけです。

そういう意味では、意識改革できていなくても言動が確実に変わるためのアクションを考えるほうが効率が良いのかなと思ったりしています。言動が変わった結果、意識が変わるということも結構あるのかなと。そして言動を変えてもらうための施策の方がより具体的に考えられるとも思います。