幸せなダイバーシティ、しなやかな働き方改革

ダイバーシティ推進や働き方改革の本質を一担当者として語りたい

『「たばこ休憩」を不公平と思う人に欠けた視点』に欠けた視点

先日タバコ休憩に関する記事を見かけました。

toyokeizai.net

私自身がいわゆる嫌煙者ということもありますのでここではタバコ休憩については特に書きませんが、一つだけこの記事に欠けていることが気になったので、ここで労働時間と成果(アウトプット)について考えてみたいと思います。

働き方が多様化しているというのは上記の記事の通りですが、労働時間と成果を考える際に重要なのは、その職種がどのようなものなのかを整理することだと思います。たとえば、そこにいること≒仕事とみなされる職種から、時間に関係なくアウトプット自体が仕事になる職種までの間で分類できると思います。前者は警備員や飲食店などのサービス業の現場職、後者は企画系の業務が含まれるでしょうか。一方で労働時間と成果が比例するかどうかという分類もできると思います。つまり工場の生産現場であれば長くいることで多くの商品が製造できますが、営業の場合、長く働くことが成果に結びつくとは必ずしも言えないですよね。

労働時間と成果の関係が曖昧になればなるほど労働時間は長くなりがちです。営業の例もそうですが、人事の仕事もそうですね。人事の場合はそもそもその人がコントロールできる範囲が曖昧なので成果との因果関係も曖昧になり、評価も難しくなります。また、ワークライフバランスの記事でも触れましたが、どの職種であってもその成果に必要なインプットは会社以外、つまり労働時間以外で得る必要が出てきています。プライベートな時間で本を読んだりセミナーに出かけたり人脈を作ったり、というのは労働時間には含まれません。そしてそれが実際に成果に反映されるかどうかも人によりますのでこれを直接評価することも難しい。アウトプットや成果で評価しましょう、と言うのは簡単ですしもっともな話ではあるのですが、どう評価するか、そして労働時間と成果をどう報酬に反映するかは常に人事が頭を悩ませているところです。

いずれにしても以前の働き方に基づいた労働法規や一律的な人事制度では効率的な労務管理は難しいと感じています。もちろん現在の法律を守るというのは必須ですし、長時間労働(拘束)は避けなければいけません。ワークライフバランスの必要性について議論するときも、このあたりで行き詰まることもあります。これについては自営業やフリーランスの方と話すと参考になることもよくありますが、それについてはまた別の機会にします。