転勤は必要か
3つの会社でダイバーシティ推進と働き方改革をしてきたMeikoです。担当者として感じていること、学んだことなどを書いています。
ダイバーシティ推進担当者で女性活躍推進についての課題を話し合っていると必ずといっていいほど出てくるのが「転勤問題」です。一つは配偶者の転勤によって女性社員が退職してしまうこと、もう一つは転勤しないと昇格昇進が(事実上も含めて)できない仕組みなっていることです。
複数の拠点がある企業のいわゆる総合職は全国転勤があることが前提で、辞令一本でどこにでも行くことが求められます。よほどの事情がない限り事前の打診もなければ拒否する権利もありません。
特に金融機関の場合はなぜか定期異動が常識ですよね。ただ、以前どこかの会社の事例を聞いた際、「調べてみたら定期異動をさせなければいけない法律や規則はどこにもなかった」ということだったので、結局は慣例ということのようです。とはいえ今さらそれを止めるタイミングをはかるのも難しいのかもしれません。
全国に支社や支店がある企業で、社員の要望を聞きながら異動や転勤を調整するのは非常に骨が折れる仕事ですし、ビジネス側の事情や退職者については人事のコントロール外なので計画的な対応も不可能に思えます。
ただ、私自身は不本意な転勤が必要だとは考えていません。本来であれば住むところは個人で自由に選ぶべきですし、会社側は社内外からそこに通えて条件が合う人を配属/採用すべきだからです。単身赴任や不本意な引っ越しをさせて、配偶者のキャリアや子供の友人関係を犠牲にする権利が会社にあるとは全く思いません。
一方で、会社が社員を転勤させざるを得ないのは、新卒一括採用や年功序列の賃金、ジェネラリストのキャリアパス、そして終身雇用前提の雇用慣行が大きな原因だと考えています。社員の流動性が無い中では異動で流動性を確保するしか無いというのは自然な流れだと思います。転勤を廃止しようとする場合には、まずこれらの雇用慣行に手を付ける必要があります。想像しただけでうんざりするほど大きな話ですが、それでも今後転勤問題に取り組む会社は増えていくと思っています。
海外転勤したいと思って役員に直談判し、とりあえず海外事業部に異動させてもらったものの結局他の人が選ばれたという悲しい過去を思い出してしまったMeikoでした。
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