幸せなダイバーシティ、しなやかな働き方改革

ダイバーシティ推進や働き方改革の本質を一担当者として語りたい

パワハラの芽を摘もう

3つの会社でダイバーシティ推進と働き方改革をしてきたMeikoです。担当者として感じていること、学んだことなどを書いています。

 

ちょうど部下に恐怖を感じさせるマネジメントの是非について考えていたら、この記事が目につきました。

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確かに人間関係が悪くても業績がいいチームはあります。でも、そのうち次々に退職者が出たり、メンタルを崩す休職者が出てきたり、産休前の女性社員が「あの部署には戻りたくない」と言ったり、社内公募で貴重な社員が他の部署に流出したりする(いわゆる脱北ですね)ので、結果的に生産性は落ちます。

チームの生産性を高める唯一の方法は心理的安全性を確保することだというGoogleの研究結果があります。となると業績を上げるためにはこの心理的安全性を確保することが必要であり、それにはリーダーが人間関係に注意を払うのは当然だと思います。

ただそのやり方が正しく認識されていない場合も多いと思っています。飲み会や懇親のためのイベントにほとんど意味がありません。むしろ参加への無言の圧力を感じるとマイナスになります。職場で安心できない人は懇親の場でも同じです。むしろ上司や同僚と話さなければいけない方がストレスですよね。

イベントは別にして、心理的安全性を高めるためにできることはいくつかありますが、それをどんなにやっても一発で台無しになることがあります。それは相手に恐怖を与えるコミュニケーションです。声を荒げるのはもちろん、大きな声を出す、「お前」や「あんた」と呼ぶ、詰問する、呆れたり馬鹿にしたような態度、などなど。特に言う方が上司や先輩、その部署に長くいる同僚など、何らかのパワーを持っていると受け取る側が恐怖を感じがちですね。たとえ部下でも長くいれば転職や異動で新しく配属された上司よりもパワーがあります。

もちろんそのシチュエーションや口調、表情にもよると思いますが、もっと受け取り方に影響するのは言う側と言われる側の関係性です。つまり日頃からどれくらい信頼関係があるかによるのですが、ここにも大きな勘違いがあります。社員意識調査では管理職と部下でかなりギャップがありますし、社員との面談でも「まさか部下がこんな風に思っているなんて上司は夢にも思っていないだろうな」と感じることがよくあります。上司としては、自分は部下によく声をかけているし、話も聞いている、期待も伝えているしもちろん指導もしていると思っています。でも部下側は、上司はいつも忙しそうで声をかけづらい、頼み事をすると面倒くさそうな顔をされる、どうでもいいことまで細かく指示してくるなどと思っています。

なので、上司側が「信頼関係があるからこれくらいの冗談は大丈夫だろう」と思っても、部下は冗談だと思わず(例えば)「自分は使えないヤツと思われてしまった!」と恐怖を感じます。また、育てようと思って「あえて」厳しくすると、部下は怖くなってその後質問できなくなります。この「恐怖」という感情は非常に厄介で、一度感じるとその後は話をするだけで心臓がドキドキし、それがオドオドしているように見えて余計にキツく言われてしまうこともあります。

このように、恐怖心はチーム内のコミュニケーション上大きな障害となります。始末が悪いのは、それでも上司が気が付かないことがほとんどなんですよね。部下に恐怖心を抱かせないためには、上記のような「危ない」コミュニケーションをしないこと、それからもし少しでも感情的になってしまったら(誰でもありますよね)、できるだけすぐにそのことを認めて謝ることです。これを続けていれば気づかないうちに部下を傷つけたり恐怖を与えて信頼を失ってしまうことを防げます。

チームの人間関係に注意を払うことは、部下の能力を十分発揮させるためにとても重要です。それはパワハラの芽を摘むだけでなく、チームの業績を最大化させる唯一の方法なのだと考えています。

 

あることをきっかけに子供に勉強しなさいと言うことを一切やめたらずいぶんストレスが減ったMeikoでした。

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