幸せなダイバーシティ、しなやかな働き方改革

ダイバーシティ推進や働き方改革の本質を一担当者として語りたい

自分らしく働くということ

昨日書ききれなかったので続きを。

マジョリティがマイノリティの気持ちを理解するというのはとても難しいですが、もしかしたら近いかもしれないという例を自分のセミナーでも何度か使ったのでご紹介します。

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あなたはとある東京の会社に勤務しています。社員は30人ほどですが社長のこだわりで全員が東京出身。あなたは知り合いの紹介で入社したのですが、実は中学生まで大阪に住んでいました。両親が海外に住むことになったので高校生から親戚の家がある東京で暮らしていたのですが、マイナーな言葉ではイントネーションが違う可能性もあり、職場ではとても気をつけています。他にも出身校や東京のローカルな話題、年始など帰省の話がでる時は、いつかバレてしまうのではないかとヒヤヒヤするのでなるべく席を外すようにしています。

社長と数人の社員は時々「大阪人なんて信用できないよ」と笑いながら言いますが、他の社員は肯定も否定もせず、困ったように笑うだけです。できることなら本当のことを言ってしまいたいのですが、そうなると職場にいられなくなるかもしれないので、今は生まれも育ちも東京、としています。営業先で大阪出身の人がいると親近感を覚える一方で、会社にバレてしまうことが怖く、距離をおいてしまうために商談がうまく進まないこともあります。

出身地や実家の場所のようなプライベートな話は職場でしなくても大丈夫だと思って入社したものの、意外とその話題につながる場面が多く、その都度小さな嘘をつくのはとてもストレスが溜まります。

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大阪の方、気を悪くされたら本当に申し訳ありません。私は大阪出身ではありませんが、上方のお笑いや大阪の粉物は大好きですのでどうかお許しください。この例は割と好評なので自由に使っていただいて構いませんが、相手と状況は十分ご配慮くださいね。

会社がなぜ社員の性にかかわらなければいけないかというと、このように細かい嘘をついたり、話題をそらせたりすることは非常に大きなストレスになり、それが業績に影響するからです。余計なことに気を遣わず自分らしく働ける環境は、成果を出すためにとても重要なんですよね。もちろんLGBTだけにかぎらず全員にとって。

ちなみに、(昨日も書きましたが)性的マイノリティの方々を受け容れられない人も一定数いらっしゃると思います。今後、アライ(LGBTサポーター)がマジョリティになり、性的マイノリティを受け入れる社会がデフォルトになれば、この「受け容れられない人々」はマイノリティになるので、今度は彼らのインクルージョンを推進する取り組みが必要になります。それまでもうしばらく待っていてくださいね、杉田水脈さん、平沢勝栄さん。