幸せなダイバーシティ、しなやかな働き方改革

ダイバーシティ推進や働き方改革の本質を一担当者として語りたい

在宅勤務

こんなに在宅勤務がブームになるなんて、少し前は全然想像できなかったですよね。政府のキャンペーンや経団連のプレッシャーが功を奏しているのがしれませんし、頻繁に起こる自然災害への対応として、危機管理の観点から止むを得ず、ということもあるかと思います。以前小池都知事ダイバーシティに関する短いスピーチを聞いたのですが、ひたすら在宅勤務のことをおっしゃっていて、建前だけではないものを感じました。

いずれにしても在宅勤務制度自体はどの組織でも必要だし可能なのだと確信しています。もちろん業種や会社によって方法や進み具合はかなり違ってくるとは思いますが…。あのリーディングカンパニーであるMicrosoftですら東日本大震災の前までは特別な人だけ、という認識だったそうなので、元のカルチャーによっては今でもできるなんて誰も思わない、という会社もあるでしょう。

在宅勤務導入時に迷うことNo.1はやはり、どのような条件を付けるか、です。育児や介護など事情がある場合のみにしている企業も多いですよね。現場や社員本人に任せてしまうと収拾がつかなくなるという懸念は良く分かりますが、一般的な日本企業のカルチャーの場合には実はそうならないんですよね。むしろ制度を作るだけでは誰もやりません。それこそ育児など、のっぴきならない人以外は、『私じゃない誰かのための制度』だと捉えてしまいます。

なので、私の考えではひとまず制度上は全員ができるようにしておいて、上司や部門長などに最終判断をしてもらう形がオススメです。物理的に在宅勤務できない業務はこの判断の中で不可とします。その上で週一回までとか、月二回までとか頻度でコントロールしておけばおかしなことはなりません。

チームや職種によってできるできないがあってそれが社員の不満にも繋がる懸念もあります。でも、制度上は全員ということにしておけば業務プロセスの見直しにより誰でもできるようになるチャンスがあると示せますし、現場の業務改善のモチベーションにすることも可能です。

育児や介護の条件を最初に付けてしまうと、『一部の人だけの制度』というマインドセットが固定され、その後の推進において大きな障害となります。在宅勤務してすみません、という風土はなるべく避けたいですよね。フロアを効率的に使ってオフィス費用を削減するために在宅勤務を導入する企業もあると思いますので、ポジティブに受け止めてもらうためにも、みんなの制度にするべきだと思います。

また、在宅勤務の浸透には、会社全体でコミュニケーションや業務プロセスを改善する必要があり、全員の協力が欠かせません。みんなが、自分が快適に在宅勤務できるようになるためだと感じられれば、スムーズに推進できます。現実はもっと複雑ではありますが、この理想を常に頭において進めたいと考えています。