幸せなダイバーシティ、しなやかな働き方改革

ダイバーシティ推進や働き方改革の本質を一担当者として語りたい

人に歴史あり、それがダイバーシティ

他人の人生というのは本当に興味深い、とつくづく思います。伝記にならなくても、テレビに出なくても人それぞれとても起伏に富んだ物語を持っているんですよね。

私がワークショップをやるときに、アイスブレイクとしてよく使うのが『私の中のダイバーシティ』です。要はプライベートについても自己紹介してもらうということなんですが、スポーツや音楽などの趣味、子供関係のコーチやPTA、地域のボランティアなどがあります。ちなみにPTA活動で司会をしたときは『親ではない別の顔を教えてください』という形にしました。どのグループでもへぇ〜という声が上がって、単に趣味を書くよりも盛り上がる気がします。

また、面談で社員の方とプライベートな話になったり(よくなります)、社外の人とも(特にダイバーシティ繋がりでは)じっくり話すこともありますが、これまで話を聞いた方の全員にその人独自のストーリーがありました。家庭環境、学生時代の経験、就職活動、影響を受けた出会いや別れ、びっくりするような偶然や幸運、そして悲しい出来事、キャリアのターニングポイント、魂を揺さぶられた体験。マイノリティの経験なんてなさそうな大企業の男性役員は、以前うつ病になりいわゆるサザエさん症候群だったそうです。ダイバーシティなんて嫌いだ、と公言していた男性部長は実は双子の父でイクメンの鑑でした。

つまり、人間誰しもその人特有の背景や経験、物語を持っていて、それを仕事や会社でも、そしてその人自身のこれからの人生にも活かしてもらう、というのがダイバーシティ&インクルージョンなんですね。そう考えると性別や年齢、国籍などの属性はほんの一部ということがよく分かります。