幸せなダイバーシティ、しなやかな働き方改革

ダイバーシティ推進や働き方改革の本質を一担当者として語りたい

ノーレイティング 新しい人事評価制度

3つの会社でダイバーシティ推進と働き方改革をしてきたMeikoです。担当者として感じていること、学んだことなどを書いています。

 

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ここのところ評価制度について考える機会が多く、だんだん混乱してきたので今日は整理するために人事評価について書いてみたいと思います。

人事評価の難しさ

人事評価は基本的に会社のガイドラインにしたがって実施されますが、どうしても上司によるばらつきが出ます。上司のマネジメント能力の問題もありますし、部下との相性が影響する場合もあります。「達成度はなるべく客観的に測れるように」というのは研修でよく言われますが、とはいえいわゆる「勤務態度」のような定性評価は評価する方もされる方もするべきだというのが一般的な感覚だと思います。

評価への根強い不満

私が経験したどの会社でも、人事評価に対する不満を口にする社員は一定数いました。例えば上司との関係が良くない社員は自分の評価に納得していないことが多いですし、評価をする上司についても、制度に欠陥があるとかボーナスへの反映方法がおかしいとかという声をよく聞きました。評価のガイドラインを細かく作っても、管理職研修をしっかりしても、目線合わせのための会議を何回やっても、それによって不満の声が少なくなる感覚はあまりなかったです。

管理職や人事が無力感にさいなまれる

客観性をいくら追求しても、会議と作業が増えていくばかりで社員の納得はなかなか得られません。最終的にボーナスのリストを見た役員が金額を変えてしまい、評価の意味って何なんだろうと思ったこともありました。

客観性をあきらめる

おそらくこのような葛藤を経て生まれたのがノーレイティングだと思います。人事評価の目的はインセンティブによる成果の向上と育成ですが、評価から報酬をある意味切り離すことで、育成に焦点を当てることができるようになります。育成のための人事評価であれば分布や客観性を厳密に管理する必要はありません。

ボーナスはどう決まるのか

もちろん報酬も成果によるのですが、全社一律的に「Aなら給与の◯%」ということではなく、各本部から各部、各チームに組織としての成果に基づいて割り当てられた金額を現場で配分し、その裁量はそれぞれの管理職に委ねられます。つまり、上司のさじ加減ということですね。

大きくなる管理職の役割

客観性を諦めた分、上司は部下の納得を自分で得なくてはいけません。「人事が決めたから」「そういう制度だから」とは言えないからです。また、ノーレイティングでは1on1やCheck-inと呼ばれる育成のための部下とのコミュニケーションを(例えば月1回など)設定することが求められます。そこでのフィードバックが人事評価の代わりになるからです。ただ、プレイングマネージャーはそうでなくても忙しくてそんな時間を取るのは難しいですし、部下へのフィードバック能力に疑問が残る上司もいます。というわけで、社員の不満を解消するどころか高まってしまう可能性もあるため、まだまだ多くの企業でノーレイティングには踏み切れていません。

本当に評価制度って難しいですね・・・。

 

こうやって考えてみると、学校の通知表についても考える余地がありそうだなと感じたMeikoでした。

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